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10 – 4

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きょう米国人の同僚からのメールに 「10-4 !」とだけ書いてあって、何のことだか分からなかったから調べてみると「了解です」という意味らしいことが判明した。米国で使われている俗語だというから「了解っス!」くらいの雰囲気なのかも知れない。「テン・フォー」と読むとのこと。初めてお目にかかりました。

俗語とか、一部のグループだけで使われている言葉は、その言語を外国語として使用している者にはとても難しい。その言葉を使うことができる状況(いつ、どのように、誰に対して使うか)を把握していないまま覚えたての言葉を使うと、場合によってはとんでもなく失礼なことになってしまうからだ。逆に、これ以上はないというくらいドンピシャな使い方をすると「おお!」と感心されたりする場合もあるのだけれど、リスクを考えると「その言葉の使い方に自信がないときは、使わないほうが無難」という判断に至る。流行語とか俗語を使って感心されるより、折り目正しく誰にでも分かりやすい言葉遣いを続けたほうが「減点のリスクが少ない」のだ。

でも俗語を使って「感心される」というのは、つまり、その言葉を母語として使用している人たちから「あいつは外国人だ」と(無意識的にでも)思われているということでもある。大学の頃、同級生にオーストリア(オーストラリアではありません)からの留学生がいて、その時点で日本滞在が三年程度だった割には日本生まれの日本人と同じくらいに流暢な日本語を使う人だったんだけど、彼はまわりの日本人から「日本語がお上手ですね」と言われるたびに腹を立てていた。「上手だって言われるってことは、つまり、自分はまだ外国人扱いされているってことでしょ?」というのが彼が怒っている理由だったんだけど、そこがニューヨークならいざ知らず、どれだけ日本語が達者でも東京にいる金髪碧眼のオーストリア人が日本人と間違われるようになるまでは、少なくともあと20年は必要なんじゃなかろうか。

これは日本語と英語の大きな違いを示唆していると思う。日本で使われている日本語はそのほとんどが日本人が母語として使っている日本語なので、こなれた日本語が当たり前のように流通している。その結果、少しでもヘタな日本語を使うとすぐに「この人は外国人」と思われてしまい、それからはずっと「外国人」として扱われてしまう(日本人でも敬語の使い方がちょっとアレだとか、そういう問題はありますが)。一方で、英語では様々な習熟度が混在しながら意思疎通が行われるので、相手の英語の習熟度に対する期待値がそれほど高くない。というか「ヘタな英語がデフォルト」とか「英語を母語とする人は一人もいないけど職場の言語は英語」という職場もかなりの数で存在していて、そしてその数は増えている。これは今後の世界における英語の流通をさらに加速させ、英語の地位を一層押し上げるだろう。多くの日本の職場では外国人も上手な日本語を喋ることが言外に期待されているので、日本語がヘタな人にとって大きな障壁となっている。こうして、これからも日本は日本人ばかりの日本になってしまうのだ。

日本語がいささか怪しくてもきちんと仕事ができる人ならどんどん職員として採用する、そんな会社や役所が増えれば市中に流通する日本語のレベルも下がるので、海外から日本に来る人も仕事が見つけやすくなるだろう。楽天のように会社での使用言語を(ヘタな)英語にするというのも一案だが、会社での使用言語を「ヘタな日本語にする」という選択肢も十分ありうる。そしてそれは「開かれたニッポン」への一つの方策だと思う。

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Written by Flowllah

July 10, 2013 at 17:18

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